ゲーム産業統計 のバックアップ(No.2)
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- ゲーム産業統計 へ行く。
- 1 (2009-01-06 (火) 11:17:32)
- 2 (2009-01-06 (火) 11:23:36)
ゲーム産業に関する主要な統計を参照する際の注意点などについて簡単に。あくまで主要なもののみに限ります。 よりマイナー、マニアックな資料については、サイト管理人に問い合わせてください。あるレベルからはビジネスの範囲に…というか、お仕事として調査委託、講演等の以来があればありがたいです。→【連絡先】)
ゲーム産業の市場全体 †
よく勘違いされることだが、コンピュータ・ゲームの市場全体を考えた場合、大きく次の6つに分類される。(下記の分類は井上(2008)による)
- 1.パソコンゲーム市場(据え置き・汎用機市場)
- 2.携帯電話市場(携帯・汎用機市場)
- 3.家庭用据え置きゲーム機市場(据え置き・ゲーム汎用機市場):NintendoDS、PSPなど
- 4.家庭用ポータブルゲーム機市場(携帯・ゲーム汎用機市場):ファミコン、プレイステーションなど
- 5.アーケード市場(据え置き・ゲーム専用機市場):ゲームセンター
- 6.携帯専用ゲーム市場(携帯・ゲーム専用機市場):たまごっちなど
この中で、日本がもっとも強い市場は、3,4の家庭用ゲーム機の市場となる。1,2,5,6についての統計はその存在そのものが日本ではあまり十分に産業として認識されていないところがあるため、しばしばその存在を見逃されるが、ゲーム産業の全体構造を考える際には、いずれの市場も重要である。
国内 †
全市場について、市場規模等の非常に基本的なデータのみでよいのであれば、デジタルコンテンツ協会から発刊されている『デジタルコンテンツ白書』(6000円程度)が便利である。
家庭用ゲーム機(据え置き、ポータブル機含む)市場の統計 †
国内の家庭用ゲーム市場全体を概観する目的であれば、CESAが毎年発刊している『CESAゲーム白書』がもっとも安価(5000円〜6000円程度)な資料であり、市場全体についてフォローしやすい。 30000円を超える資料では、エンターブレインから毎年発刊されている、『ファミ通ゲーム白書』は、家庭用ゲーム市場の現状についてより詳しく知りたい場合に便利。 また、メディアクリエイトから毎年発刊されている『テレビゲーム産業白書』は、個別の作品の年齢別売り上げなどについての詳細なデータが掲載されている。国内でのゲーム開発、企画、営業を考える現場の方にはおすすめできるデータとなっている。
アーケード市場 †
国内については社団法人 日本アミューズメントマシン工業協会(JAMMA http://www.jamma.or.jp/)から毎年、資料が公開されており便利である。ただし、非常によく誤解されて引用さるが、JAMMAが公開している「アーケードゲーム オペレーション売上」は2007年度の場合およそ7029億円あるが、これはUFOキャッチャーなどの売り上げを含んだ数値であり、いわゆる「コンピュータ・ゲーム」の範疇に入らない売上も含まれている。 JAMMAの分類では「テレビゲーム」「クレーンゲーム」「メダルゲーム」「音楽ゲーム」「その他」となっている。この中で「コンピュータ・ゲーム」と一般に括られる「テレビゲーム」と「音楽ゲーム」の2007年度の合計は1241億円に過ぎない。
携帯電話市場、パソコンゲーム市場、その他のゲーム機(たまごっちなど)市場 †
家庭用ゲーム機や、アーケードゲーム機と違い、定期的に統計データを公表している業界団体が存在しないため、各種の公表値からの推定による計算を行っている『デジタルコンテンツ白書』から数字をとってくるのがもっとも手っ取りはやい方法かと思われる。
オンラインゲーム市場 †
また、ハード別の売り上げとは別にオンラインゲーム市場については、オンラインゲームフォーラム(OGF)が毎年値を公表している。また、これとは別に『ファミ通ゲーム白書』や『CESAゲーム白書』でも数値が公表されている。
数値の違いについて †
各種の数値を見るときにありがちな誤解を下記にまとめる
1.統計を公表している団体による違い †
統計を公表している団体によって、数値にはかなりばらつきが見られる。CESA、エンターブレイン、OGF、メディアクリエイトなどそれぞれの団体で、算出方法が違うため、別団体から公表されている数値は、できれば同列に並べたないほうがよい。 この数値の違いについては、なぜ数値の違いが生じるのかについては、問題視もなされているが、とりあえず、了解されたい。
2.数値の見方の間違い †
本数/売り上げ金額、利益/売り上げ、国内/海外、消費/生産、ソフト/ハード、関連市場含む/含まないといった要素によって混乱が生じやすい。たとえば、「国内ゲームソフト消費全体」と言った場合には、「日本国内で消費されたゲームソフトの市場規模」であり、もちろんハードウェア(Wii本体など)の売り上げは含んでいない。また、CESAゲーム白書などにおいては「家庭用ゲームソフトの」という点も加わるので注意が必要である。 「日本のゲーム市場規模全体(ソフト/ハード含む、海外輸出分含む)」とある場合には、日本のゲームメーカーがの売り上げ全体規模となるため、「国内ゲームソフト消費市場全体」よりもかなり規模は大きくなる。これらの数値は、なれない人は混同しやすいので注意。 なお、既に記したが、JAMMAの資料はしばしば間違って読まれるので注意。
タダでデータが見たい場合 †
経済産業省などがウェブ上で発表している白書等の資料が便利。そのほかどうしてもタダで見たい場合は国会図書館が便利。また、CESA等のサイトである程度の範囲で資料を無料で公開している。
海外 †
海外調査会社によるもの †
コンテンツ産業全体的な動向としては、PWC(PricewaterhouseCoopers)が毎年公表している、Global Entertainment and Media Outlookなどが便利なようだが、値段が非常に高いので、個人の研究費ではとても買いにくい。ぶっちゃけ買ったことがないので、中身よく知りません。 ゲーム産業についてのデータはIDC(http://www.idc.com/research/simplesearchres.jsp)や、Pearl Research(http://www.infoshop-japan.com/publisher/PRL.shtml#annual)といったところから同様に高額な値段のするデータが発刊されている。
中国のデータについては、2006年までのものであれば、立命館の中村彰憲氏の調査報告書(『中国ゲームビジネス徹底研究2006』)が秀逸。韓国については、そこまで統計データ尽くしではないが、ソウル中央大学の魏晶玄氏の手による『韓国のオンラインゲームビジネス研究』(東洋経済)がとても便利。
タダで入手できる海外資料 †
北米市場であれば、ESA(http://www.theesa.com/)。ヨーロッパに関してはISFE(http://www.isfe-eu.org/index.php?oidit=T001:662b16536388a7260921599321365911)といった組織からデータが出ている。(もちろん、英語) また、韓国や、イギリスの政府機関から出ている調査報告書も、入手ルートがあれば、あたってみるのもいいだろう。